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法律から考える盗難防止装置

第一回 ちょっと待って!あなたのカーセキュリティ、合法ですか? ~正しいカーセキュリティの選び方~

KATO-DENKIコラム

法律から考える盗難防止装置

本コラムでは、「自動車の盗難防止」にテーマを絞り、カーセキュリティについて解説していきます。
具体的には、カーアラーム(法律用語では「盗難発生警報装置」)、イモビライザー、物理ロック装置、そして位置情報システム(GPS端末)といった代表的な装置について、ご紹介していきます。

 
 

一般的に知られているカーセキュリティとは

 
まず、「カーセキュリティ」と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか。
 
警報機やイモビライザーといった盗難防止装置を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、一般的に「カーセキュリティ」という言葉は、クルマを守るための装備や道具を幅広く指す言葉として使われています。
たとえば、緊急時に車内からガラスを割って脱出するための脱出ハンマーや、冬季走行に備えるタイヤチェーン、さらには発煙筒などのセーフティグッズも、広い意味ではクルマの安全を守る装備のひとつと言えるでしょう。
そこで本コラムでは、「自動車の盗難防止」にテーマを絞り、カーセキュリティについて解説していきます。
具体的には、カーアラーム(法律用語では「盗難発生警報装置」)、イモビライザー、物理ロック装置、そして位置情報システム(GPS端末)といった代表的な装置について、ご紹介していきます。
 


 

どのカーセキュリティを選べばいいの?

 

 
カーセキュリティといっても、「何を基準に選べばよいのか分からない」と感じている方は少なくないのではないでしょうか。
それも無理はありません。
実は、クルマに装着する盗難防止装置には、満たさなければならない技術基準が存在します。
これらは、国連の国際協定規則をもとに、日本国内では道路運送車両法の保安基準として定められているものです。
本来、こうした基準に適合していない装置は、車両に取り付けることが認められていません。
とはいえ、一般のドライバーが日常的にこれらの基準を意識することは、ほとんどないでしょう。
実際には、車検工場などで車両を検査する検査員がその適合性を確認しているため、多くのユーザーはその判断を専門家に任せているのが実情です。
その結果、カーセキュリティが合法かどうかを深く考えることなく、ショップの勧めるままに購入したり、インターネットで価格の安い製品を選んだりしてしまうケースも少なくありません。
 
 
しかし、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
法律が定められているということは、そこには必ず理由があります。
では、なぜカーセキュリティにも法律が必要なのでしょうか。
盗難防止装置に関する技術基準がどのように定められているのか、そしてそれが私たちのクルマの安全にどのように関わっているのかについて、法的な観点から詳しく解説していきます。

日本国内のカーセキュリティをめぐる最新の動向については、一般社団法人全国自動車用品工業会のホームページでも詳しく紹介されています。
知識をさらに深めたい方は、そうした情報源もぜひ参考にしてみてください。
 
 

自動車盗難防止装置の保安基準が定められた理由とは?

 

 
 
カーセキュリティを正しく選ぶために
―法律から見る盗難防止装置―
日本では、自動車盗難防止装置の普及を進めるため、国土交通省が関連する制度を整備してきました。
2003(平成15)年7月7日には道路運送車両の保安基準が改訂され、2006(平成18)年から新しい基準が運用されています。
さらに2022(令和4)年10月7日には、国連の協定規則第163号(UN-R163)の適用が決定されました。
 

この規則により

•新型車は2024年1月1日~

•継続生産車は2026年5月1日~

 
後付けの盗難防止装置やイモビライザーは保安基準で定める協定規則に適合していなければなりません。
しかし、こうした制度の存在というのは、一般ユーザーはもちろん、カーセキュリティ業界の中でもあまり知られていない場合があります。
 

つまり、日本でカーセキュリティを取り付ける場合は

•自動車メーカーの純正装置=型式指定製品

•後付け装置=保安基準適合製品

 
でなければならないということです。
では、なぜこのような法律が作られたのでしょうか。
 
 

自動車盗難が多発していた時代

 

 
 
自動車盗難が多発していた時代

1990年代初頭、世界では自動車盗難が大きな社会問題になっていました。

 

当時の年間盗難台数は

 

•イギリス:約50万台以上 ※1(イギリス警察統計)

•アメリカ:約150万台以上 ※2(FBI統計)

 

と言われています。

 
日本でも2003年には64,223台※3(警察庁統計)と、過去最多の盗難が発生しました。
当時は現在のようなスマートキーや電子セキュリティがほとんどなく、効果的な盗難防止装置も十分に普及していませんでした。
そのため自動車は比較的簡単に盗まれてしまい、盗難車の闇市場も広がっていきました。
こうした状況を受け、各国は自動車盗難対策を強化する必要があると判断したのです。
そして国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、警報装置(Vehicle Alarm)やイモビライザー(Immobilizer)などの国際基準が作られるようになりました。
 
 

カーセキュリティ製品の普及と広がり

 

 
 
カーセキュリティ製品の広がり
一方、民間市場でもカーセキュリティ製品の開発が進みました。
アメリカではDirected Electronics社が「HORNET」や「VIPER」といった製品を発売し、世界トップシェアを築いていきました。
日本では1992年に加藤電機(株)が同社の日本総代理店となり、これらの製品の販売を開始しました。
その後、日本国内でも多くのカーセキュリティ製品が販売されるようになります。
しかし当時は法整備が十分ではなく、アメリカやロシア、中国からの並行輸入なども多く行われていました。
当時主流だったのは「カーアラーム」と呼ばれる警報装置です。
これは、リモコンで操作して 警戒モード(Arm=武装) にすると、車のドアが不正に開けられたときに大きな警報音が鳴り、泥棒を驚かせて追い払う装置です。
警戒モードを解除すると 解除モード(Disarm=武装解除) になり、普段の使用でドアを開けても警報は鳴りません。
シンプルに言えば、リモコンでON/OFFできる車の防犯ブザー です。
 
ただし、これらの製品の中には日本の電波法に適合していない無線リモコンを使用しているものもありました。
この問題は現在でも完全には解消されておらず、インターネット販売や個人店舗などでは電波法に適合していない製品が販売されている場合もありますので要注意です。
日本国内の電波法については、総務省のポータルサイトで詳しく紹介されています。
スマートフォンやイヤホンなど、身近な電波を発する機器にも基準が定められています。
こちらでは、電波を使用する時のルールについて簡単に説明されています。
 
 
正しいカーセキュリティの選び方
カーセキュリティ製品を選ぶ際には、主に次の2つの法律を確認する必要があります。

①保安基準

車両に取り付ける装置は、道路運送車両法の保安基準に適合している必要があります。

②電波法

無線リモコンを使用する製品は、日本の電波法に適合していなければなりません。

 

 
 
保安基準の確認方法
保安基準適合の目安のひとつとして、一般社団法人全国自動車用品工業会(JAAMA)が運用している自主基準登録制度があります。

 

この制度では

•盗難発生警報装置(VAS)

•イモビライザー(IMB)

 

について外部の指定試験場で保安基準適合試験を行い、試験をパスした製品のみが登録されます。
審査に通過した製品は、一般社団法人全国自動車用品工業会(JAAMA)のホームページで公開されていますので、カーセキュリティ製品を選ぶ際の参考になります。
※加藤電機(株)で販売されているカーセキュリティは、全てこの基準を満たしています。
 
 

技適マークによる電波法適合の確認

 

 
 
電波法の確認方法
無線リモコンを使用する機器には、技術基準適合マーク(技適マーク)が付いている必要があります。
これは、「この機器は日本国内で安全に使えるよ」という合格スタンプです。
このマークが表示されていれば、日本の電波法に適合している機器であることを示しています。
また、微弱無線設備については、2012年から自主基準登録を開始しています。
ELPマークという自主基準登録制度もあり、JAAMAと電波環境協議会(EMCC)が運用しています。
総務省では、不法無線設備取り締まりのため、電波利用ポータルサイトで「無線設備試買テストの結果について」で不法な機器を公表しています。
 
 

 


 
本コラムでは、こうした制度や技術の背景を踏まえながら、カーセキュリティを正しく選ぶためのポイントを解説していきます。
ぜひ今後もKATO-DENKIコラムをお楽しみください。